2011年11月7日月曜日

海老蔵復活、日本はいかに・・・?

昨日まで尾道商工会議所の議員旅行で、熊本、博多を訪れました。少し贅沢でしたが博多歌舞伎座で、錦秋博多座大歌舞伎を鑑賞しました。演目は「外郎売」「連獅子」そして世話物は「与話情浮名横櫛」。
市川家のお家芸である「外郎売」では、薬としての外郎の効用を海老蔵が早口言葉で述べる雄弁術が聞きものでしたね(なんと、わが土堂小学校ではそのセリフを覚えるのですが、これは難関中の難関だそうです)。
「与話情浮名横櫛」は三世瀬川如皐作の江戸世話物の名作で、歌謡曲「お富さん」・・粋な黒塀、見越の松に、あだな姿の洗い髪・・にもなったお富と与三郎の物語です。命からがら生き別れた(当人同士は死んだと思っている)ふたり、3年後にお富が住んでいる「源氏店」で思いがけず再会します。贅を尽くした妾宅(住まいの様子を褒める名台詞もありました、茶瓶は南部でございますね、お軸は抱一ですか・・・)で、与三郎がその傷を見せながらお富に恨みを述べる「しがねぇ恋の情けが仇」に始まる長台詞、粋でしたねぇ。
海老蔵をメインに、團十郎、福助、芝雀と、大看板がずらり勢揃い。早口調、大見得、舞、掛け合い・・・7月に歌舞伎座で舞台に復帰し、映画の主演を果たし、完全復活した海老様のその華麗にして水のしたたる男ぶりにすっかり魅了されました。やはり、日本が長きにわたってつちかった伝統の芸の深みは、なまじなものではありません。日本はなんて素晴しいのだ、と実感させられた至福の時間でした。
さて、尾道に帰り着いて現実に戻り、新聞やテレビを見ると・・・
原発事後の収集がはかどらない、G20で野田総理はスルーパスされた、TPPは賛否両論進退窮まる、等々。
こちらは歌舞伎のように完全復活して大見得を切るどころか、あいも変わらぬていたらく、
帰って来なけりゃ良かったなぁと、ため息ばかりの今日この頃です・・・

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